イライラするのは

少し、自信があります。


ほとんどの場合において、人がイライラする時、体のどこかに我慢できる程度の痛みを抱えています。


体が懸命に「痛いよ痛いよ」と訴えているのに、無視されるから、今度は感情に働きかけてイライラさせるのです。


あなたが誰かや何かにイライラする時、その対象に怒りの感情を向ける前に、自分の体を点検してみてください。「私の背中って、こんなに痛かったの!?」などと、きっと驚くことでしょう。


また、誰かがやけにイライラしているのを見た時にも、「この人はきっと、体に痛みを抱えているんだ」という視点を持ってみてください。そうすることで、その人の問題を個人的に受け取らずに済みますし、思いやりを持って受け流すことで、その場の空気も変わっていくからです。


この、体の痛みが引き起こすイライラは、もちろん更年期でなくとも起こります。思春期の子どもたちがよくイライラしているのには、体がドラスティックに変わる過程での痛みが関係しているのではないかと思いますし、女性なんて、やはり生理があると、その前後にも、個人差はあれ、ずっと痛みや不調を抱えていますよね。


そんな中、更年期は「心と体の知覚過敏」とおっしゃる方もいる通り、ホルモン減少により、心身の痛みをより敏感に感じてしまいやすいのだそうです。イライラを経験する人が少なくないのには、こういった訳もあるのかもしれません。

更年期に痛みを感じることが多いのは、肩、背中、腰、首、関節、頭の痛み。体の背面が多いですよね。また、PMSがひどく、長引くというケースもよく耳にします。


そんな更年期を快適に過ごすテーマは、「軽くすること」です。


キャパシティ以上に負荷がかかる仕事、一緒にいると疲れる人間関係、抱えなくてもよい責任、いつまでも握りしめる必要のない感情、頭の中にある意地悪な声、付き合いで無駄にする時間、食べ過ぎ、飲み過ぎ、物の持ち過ぎ・・・


体が痛みを通して教えてくれるのは、こうした過ぎた(too muchな)こと。体の背面に痛みがあるのは、要らない荷物をリュックいっぱいに背負っているせいかも…?


私たちは今、人からの期待や人からの評価など、周りの人々が中心だった世界から、自分中心の世界へと移行しようとしています。更年期は、ホルモンの後任である叡智が、体や感情にさまざまなサインを送って、常に意識を己へと引き戻すのです。この時期は、小さなサインも無視せず、しっかりと自己観察をして、こつこつと古く重い荷物を手放し、心身ともに軽く痛みのない状態へ向けて、環境を整えていきましょう。それが、更年期障害を防ぐことにもつながります。


たった一つでも、荷物を下ろすと、痛みは楽になります。また、びっくりするほど心が穏やかに、表情も優しく変わりますよ。

40歳からの考え方

40歳。この地点に立った時、少しだけ先に、思春期以来の大きな体の変化、更年期が見えてきます(時期には個性あり)。大人だって、不安なものは不安。感情だって大きく揺れて、体調だって揺らいで。でも、思春期の頃よりもたくさんの責任を背負って、平気な顔で動き続けなければならないのですよね。この時期を、優しく楽に過ごす為のヒントは、「考え方」にあります。

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