不自然な自然

何事も、妄信しないこと、こだわりすぎないことを大切にしています。

どんなに素晴らしく見える人や物事にも、不得意な分野や欠点はあるものですから。

私には、自分より他人の方が優れて見えることが多々あります。でも「この人はすごい!」と見ているのはほんの一面で、また別の面を拝見したらがっかりするのかもしれません。

ダメなところも良いところも全部包み隠さず見えているのは自分だけという点に置いて、自分ほど信用できる存在はありません。参考にはしても、正解は他者に譲らず自分で出さねばならないと思います。

ヨガの世界にいた頃、身の回りに、不自然なほどにこだわりをみせる自然派の方々がいました。その方達は、ある人をまるで教祖かのように崇拝していて(それだけ魅力的で素敵な方だと私も思います)、その方がなさることを全て真似していらっしゃいました。私のような「できるだけ自然」なタイプには、厳しさすら感じられる徹底ぶりでした。

自然以外を受け付けないことで、身の回りに敵が増えてしまったのでしょう。私にはその方達の顔つきがきつく見えたし、近くにいるとピリリとしたオーラを感じることもありました。それが返って病気を引き寄せそうにも見えました。

ある時、そのうちの一人が、自然療法の本をプレゼントしてくれました。

その本には、梅干しをつかった栄養ドリンクや、野菜をつかった手当の仕方など、とっても参考になることも多々ありましたが、一方で、「この筆者は随分と誤った理解をされているのだな」と驚くような記述がありました。

例えば、妊娠中に多くのお母さんが苦しむ悪阻について、

「悪阻は病気ではありませんので、寝てばかりいないで、体を動かし働きましょう。」

というようなことが書いてありました。

私は、その一文にその筆者の人間性を垣間みた気がして、そちらの本を感謝して手放しました(欲しいという方がいたのでお譲りしました)。

悪阻が病気ではないことくらい、妊婦さん誰だって知っています。

寝てばかりいる訳ではなく、起き上がることができないんです。

疲れとストレスは、悪阻を悪化させる大きな要因なのですよ。

その一文に対して、いろいろ言い返したくなるような気持ちになってしまって。その方も、自分が悪阻になったことがないので分からないだけなのだろうと思うのですが、知らないなら知らないと言うのが大人の美学というもの。その方は、色々なことをご存知な一方で、思いやりや寄り添う心のドーセージは少ないのかもしれません。全てはバランスですものね。

更年期障がいに対しても、色々な治療法があります。私のように、考え方によって自律神経のアンバランスを防いでいくアプローチ法もありますが、ホルモン補充療法などの治療が良く効くタイプの方もいらっしゃるようです。

時々自然派の方で、不自然なほどに西洋医学を毛嫌いする方がいらっしゃって、そういう方々にとっては、ホルモン補充療法はありえない治療法なのかもしれません。

まずは、敵視することを止めてみましょう。それだけで緊張がほぐれて、ストレスも和らぎ、あっという間に体が楽になるはずです。

そして、人の体や決定については、その人にお任せしましょう。一人一人、違うのです。

この時期は特に柔らかくいるようにして、その時々の自分の体と心にとって必要だと感じるのなら、意地を張らずに頼れば良いくらいの心持ちでいませんか。ダメだったらダメ、良かったら良い、それくらいが丁度良いのではないでしょうか。


40歳からの考え方

40歳。この地点に立った時、少しだけ先に、思春期以来の大きな体の変化、更年期が見えてきます(時期には個性あり)。大人だって、不安なものは不安。感情だって大きく揺れて、体調だって揺らいで。でも、思春期の頃よりもたくさんの責任を背負って、平気な顔で動き続けなければならないのですよね。この時期を、優しく楽に過ごす為のヒントは、「考え方」にあります。

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