その時に分かれば良い

昔、ヨガについて、ある看護大学で講演させていただく機会をいただきました。


その時、先生方が汗をかきながら一生懸命会場を設営しているのに、手伝おうとする学生さんはゼロ。それどころか、「まだー?」みたいな。教授に対しては完全にため口でしたし、学生はサービスを受ける側だと思っているような雰囲気さえありました。「もうちょっとだよ、ごめんね!」と笑顔で答えるその教授は、ものすごい偉業を成し遂げた方だというのに・・・!


私は教授にこそっと、「先生、彼らが社会に出た時に、あのままではきっと大変な苦労することと思います。私から少し話してみましょうか。」と耳打ちしたところ、


その教授は、汗を拭きながら、「その時に分かれば良いんです。僕なんか、授業ほとんど出ていなかったですからね。文句を言いながらも、毎日顔を出してくれるだけ、あの子たちの方がよっぽど立派なんです。看護の世界の厳しさを、あの子たちはこれから嫌という程味わい学ぶでしょう。僕もそうやって今があるんです。その時に分かってくれればいいんです。」とおっしゃって、とても感動しました。


私は講演の前にせめてもと、「皆さんの目の前にいる、この謙虚でにこにこした先生は、日本に画期的なことを起こした方なのですよ。」と、こういうことは他人から聴いた方が良いだろうと、先生があえて語らないことをエピソード交えて紹介させていただきました。すると学生さんたちの目が驚き、そしてキラキラしていく様子を見て、また感動してしまいました。


この時の経験のおかげで、自分より若い人、自分より経験の少ない人、自分とは違う環境で育った人・・・そこで産まれるフラストレーションや誤解は、許さねばならないと心がけています。年を重ねることも、子どもを育てることも、外国に暮らすことも、その他色んなこと、自分で経験しないと、なかなか分からないものですものね。


分かってもらおうとしないこと。

「彼らにはいつか分かるときが来る。その時に分かってくれれば良い。私だって、別に立派な人間でもないじゃないか。」


誰かに対してイラッとしそうになった時、あの教授の真似をして、こう思うようにしています。

40歳からの考え方

40歳。この地点に立った時、少しだけ先に、思春期以来の大きな体の変化、更年期が見えてきます(時期には個性あり)。大人だって、不安なものは不安。感情だって大きく揺れて、体調だって揺らいで。でも、思春期の頃よりもたくさんの責任を背負って、平気な顔で動き続けなければならないのですよね。この時期を、優しく楽に過ごす為のヒントは、「考え方」にあります。

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